MBA学生にとってコンサルティングファームは最も人気のある就職先のひとつ。
On-campus Recruitmentでは名だたるコンサルティングファームが学校を訪れてプレゼンをし、インタビューを行うが、非ヨーロッパ人である私がヨーロッパのオフィスにアプライしたところでcompetitiveになれるわけもなく、東京オフィスからは人が来ないのでほとんどOn-campus Recruitmentは無視していた。

今日はコンサルティングファームの中では始めてMcKinsey & Companyの東京オフィスがFontainebleauにやってきたのでプレゼンテーションに出席。参加者はINSEADだけかと思っていたらパリ近郊のHEC、バルセロナのESADEからも来ていてビックリ。

澤田さんというパートナーの方が行ったプレゼンテーションはどんなStrategyのクラスよりも面白かった。
ビジネススクールでは当然ながら欧米型の企業統治を教えるので、学んだことが日本ではそのまま当てはまらないケースが多く（というかほとんど）、日本といえば「80年代には日本式経営が絶賛されたけれど、今は恐慌とも言えるような長期不況に喘いでいる。日本式経営は間違っていて、欧米型に切り替えないかぎり未来はない」というようなコンテクストで語られることが多い。日本のケースが取り上げられることは少ないので、日本人としては「授業で言っていることはわかるけど、じゃあどうすりゃいいんだ？」という疑問が解決しない歯がゆい思いをしてきた。

澤田さんのプレゼンは現在の日本企業の経営者が抱えている根本的な課題とその根深さ、McKinseyがその課題に対してどういう役割を果たしているのか、という点について非常にわかりやすくカバーしていて、少し頭の中の霧が晴れるような内容だった（よく「木を見て森を見ない」と言われるけれど、森が見えるように少しずつ頭の中の暗霧をといていくのがビジネススクールというところだと私は思っている）。

正直、ファーム間の違いなんて全くわからなかった戦略コンサルティングファームだけれど、McKinseyの持つプライドと超一流の人材を集める魅力が垣間見えた貴重な時間だった。

posted at 4:38 PM

P4になって授業の数ががくんと減った（P1: 5、P2: 6、P3: 5.5、P4: 4）にも関わらず学校にいる時間はとても長い。
授業時間以外はなんだかんだとネットに接続しているので、Instant Messageをし合っている人がたくさんいる（仕事中に違う部署の同期と私用メールするような感覚、ちっても勉強がはかどらない。まあ私たちの場合はお金をもらって働いているわけではないので罪悪感はないけれど）。

というわけで、私も今さらながらHotmailのアカウントを取得した。アカウント持ってる人はぜひE-mailで連絡ください。MSN Messengerでチャットしましょう。

posted at 12:07 PM

Negotiationのクラスは取っている人が200人もいて2、3日おきに新しいnegotiationをしなければならないので、皆この話で持ちきり。

50ヶ国もの国籍の学生からなるINSEADではいろいろな人がいるもので、negotiation途中に怒り出して喧嘩別れするところもまれではないらしい（私はまだそういう人に出会ったことがないけれど）。

そういうケースを防ぐために、毎回終わるごとに交渉相手の態度をobnoxious（不愉快な）からcourteous（礼儀正しい）まで1から10のスケールで評価する。

今日のケースは初めて現実に仕事でも使えそうな2対2での価格の交渉（今までは土地の売買や裁判などあまりありえなそうなケースだった）。私たちは石鹸・シャンプー・歯磨き粉などの日用品メーカー、相手は大手小売チェーン。
このクラスの悪いところは、交渉を全て授業時間外に行わなければいけないので、こじれるとEndlessになりものすごく時間を浪費すること。今回は1時間半もかかった。

Negotiationなんて全く慣れていない私にとっては難しく面白い。

posted at 6:00 PM

新聞も読まずTVも見ない生活もはや7ヶ月。唯一の情報ソースはYahoo!ニュース。

日本は鳥インフルエンザだ、狂牛病だ、と大変みたいだけれど、最近のニュースで一番ショックだったのはいかりや長介が亡くなったこと。

『8時だよ、全員集合！』は小学校低学年の時にアニメ以外で唯一見ていたテレビ番組だったので、物心ついた時からいつもテレビで見ていた人が亡くなるというのはショックだった。

今"Value Creating Management in Media Companies"というコースを受講している。コースを取って初めて痛感したけれど、メディアほど国・地域・地元に密着したものはない。このコースはヨーロッパの企業しか取り上げないので、ヨーロッパでの生活経験がない私にとっては小さい時に流行った曲、teen agerの頃のアイドル、、、など皆と共有するものがない。長さんの死の悲しみも共有できない。

INSEAD生活が終わる夏、日本に帰って日本のどんなところに安心感を覚えどんなところに違和感を感じるのか、それがとても楽しみ。

posted at 7:06 PM

交渉の結果が成績に反映されるという恐怖のNegotiation Analysisのクラス。

交渉内容の詳細と自分の立場が個々知らされ、交渉相手（このクラスを取っている学生は200人いるので200人の中からrandomに割り当てられる）と時間を設定してnegotiation、その結果をコンピューター上でinputして授業ではその内容をdiscussionする。
成績は自分と同じ立場だった生徒を母体とした標準分布で交渉結果と交渉態度の両方が反映される。

昨日は第一回のnegotiationで相手はキプロス出身の超美人Stephanie。内容は、ある土地をめぐって私がbuyer、Stephanieがseller。事前に渡されたinstructionから150F/m2をwalk-away price（150F/m2以上になると交渉決裂）と決めていたので、137.5F/m2で決着した時は満足したのに、Stephanieのwalk-away priceは何と20F/m2。
Computerにinput後、周りに聞いてみるともっと安い価格で合意している。どうもinstructionそのものがwalk-away priceにかなり広い幅が出るようにdesignされていたらしい。

完全に第一回のnegotiationで失敗した私は今日の第二回のnegotiationでは強気に出ることにした。Caseはある裁判に関してで法廷外で決着をつけようとするもの。交渉相手は初めて会ったイタリア人 Stephano。30分では全く決着がつかず明日また交渉再開することにした。

よく知っている相手（第一回のStephanieのケース）に対してはあまり攻撃的になれないし、かといって全く知らない相手（第二回のStephanoのケース）に対してはnegotiation（たかが授業の一環）がこじれると今後友達になる可能性は極端に小さくなるし、なかなか難しい。

posted at 12:49 PM

週末は日本から母親が来ていたので、大聖堂で有名なChartresと多くの画家が住んだことで有名なBarbizonに行ってきた。

フランスの田舎は「100年前からこんな景色だったんだろうなー」というどこまでも広がる麦畑と石造りの家とで実に絵になる。

HousemateのJean-Christopheがいつも「フランス人は広大で豊穣な土地、長い歴史に彩られた伝統、世界一（と言われている）食文化と資源に恵まれているのに働かない、資源を十分に活用していない」と嘆いている。
でも私が思うに「資源に恵まれていて飢える心配がないからこそ働かない」んじゃないだろうか？

「天然資源がないから働かなければ豊かになれない」と教えられて働いてきた日本人、「働く人には誰にでも豊かになるチャンスが与えられる」と信じて働いてきたアメリカ人に比べ、たしかにフランス人は働かない。

きっと10年たってもフランス人とこの国は変わらないんだろうな、と思いつつ、今日も非効率を絵に描いたようなフランス人店員にこの手あの手で物を頼む。

posted at 9:38 AM