土曜の朝、9:00というとんでもない時間から"Managing Entrepreneurial
Growth"の授業。 今日の授業はいつもと一味違う。
1992年のINSEAD卒業生、イギリス人のPaulとThorが自分たちで何かビジネスを始めたいと思って、パリで本場英国の地ビールを造って売るPub FrogPubをオープンしたCaseをPaul自身が講義した。
当時職歴5年前後の若造2人が異国でPubの建物を建てる敷地を手に入れるのに1年費やした話、Parisに2店オープンした後Toulouseにオープンするために別のイギリス人と50/50のJoint
Ventureを設立したが、店の方針などを巡って醜い泥仕合を何年も繰り広げた結果Joint
Ventureを解消した話、組合に煽られた従業員が根拠の全くない悪労働条件を理由にストを起こした話・・・
よくある『サクセスストーリーの裏側の苦労秘話』とは異なる、生々しい、決して格好よくない体験談だった。
INSEADの10ヶ月は本当に短くP1,P2,P3=とにかく死に物狂いで勉強、P4,P5=必死で職探し、(その合間を縫ってParty、DinnerなどSocial
Acitivity)、そしてあっという間に卒業でみんなバラバラになってしまうので、自分はINSEADに何のために来たのか、本当は何をしたいのか、を考える時間を持たないままに、On-Campus
Recruitingに来る会社に安易に就職を決めてしまう人が多い(もちろんOn-Campus
Recruitingに来る会社が悪いわけではない)。
おそらく、PaulもThorも周りに高級取りのコンサルタントやI-Bankerになる友達がたくさんいて(コンサルティングや投資銀行が悪いわけではない)そういった"Real
Job"のsecurityの誘惑に何度も屈しそうになったであろうに、自分のビジネスを持ちたいという思いを貫き通した、その意味の重さが卒業間近の私たちには圧倒的で、教室は何度もシーン・・・となった。
私の仲のいい友達にもINSEAD後すぐじゃなくても数年後起業したいという人が何人かいる。そんな彼らに私も触発される。
"INSEAD MBA
BLOG"にも今日の授業のことが仔細に渡って書かれている。 このBlogの存在を知ってからずーっと誰が書いているのか不思議に思っていたけれど(内容からしてP1,P2では違うクラス、P3はSingapore、P4はアメリカのWhartonにexchangeしていたので誰かわからなかった)P5では私と同じ授業を2つも取っているので誰かわかってしまった。こんなに文才のある彼女、当然English
Nativeだと思っていたけれどフランス人。個人的に親しくないのでBackgroundがわからないけれど、今後Blogを公開していて得るみんなの反響を聞いてみよう。日本語で書いている私よりもはるかに各方面からいろいろな反響を呼んでいるはず。
posted at 2:32 PM
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今までもたびたび書いている通り、私はINSEADに来た当時(いわゆる"OB"と呼ばれる)"Organizational
Behavior"(組織行動論)の授業が苦手だった。組織の中で人はどう行動するか、モチベーション、リーダーシップ、コミュニケーション、組織の中での人・組織同士の衝突・・・など抽象的で処世論のような側面も強く、私にとっては常識とも思えるようなことを真面目にクラスでDiscussionするのが何とも苦手だった。
そして大企業の中でしか働いたことがなく組織の一員であることにそれなりに満足していた私は起業志向というものがなく"Entrepreneuship"関連のコースとは無縁だった。 よってElectiveでも自分にとって居心地のいい"Marketing"、"Strategy"関連のコースばかり取ってきたけれど、自分の不得手な領域をあえて果敢に選んでいるクラスメイトに触発されて最後のピリオドであるP5に選んだのが"Managing
Entrepreneurial Growth"のクラス。
客員教授であるRandel
Carlockは、INSEADの中でも指折りのいい教授として有名。他のクラスのように膨大な量のReadingやAssignment,
Projectが課されることもなく、「今後Managerとなって組織の成長を率いるために、自分なりのManagement
Styleを築くヒントを得る」のがコースの目的。
9月17日のBlogではMyers-BriggsというPersonality
Testを紹介したけれど、昨日やったのはKirton
Adaption-Innovationというテスト。個人がadaptive(正確さや信頼性を重んじ、同調的に課題に取り組む)かinnovative(問題の制約にとらわれず、独自の観点から課題にとりくむ)かをみるもので、自分がどちらのタイプであるかによって自分にあったManagement
Styleを見つけようというもの。もともと、"Entrepreneurship"のクラスなのでクラス全体が大きくInnovatorサイドに偏った結果に。
私は平均よりややInnovator寄りで"Non-Line
Manager"(Marketing, Sales,
Financeなど)向きらしい。Operation、Manufacturing程Adaptabilityが要求されずR&D程Innovationが要求されないポジション。ちなみに良いCEOとはちょうど平均の位置にいてAdapterともInnovatorとも会話ができる人だそうな。
posted at 5:53 PM
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Italian
Weekの昨日のイベントはジェスチャー講座。 何と自分たちでジェスチャー盛りだくさんのドラマを撮影をするという凝り用。本当に根っからのエンターテイナー、役者です、彼らは・・・
ジェスチャー講座は基本編、応用編、相手を選んで使いましょう編まで包括的で、150人くらい入る教室が満席。MaxというMcKinseyミラノオフィスのイタリア人(普段授業ではとてもインテリなコメント)が先生で、先生にならって150人がジェスチャーを真似する。
そのうちの一部を紹介。 左のジェスチャーは"Mi
Sta Qua!"-I cannot stand this person any
more!。よく使う相手の例:義理の母、つまらないゲストスピーカー、政治家、自分よりハンサム・きれいな人
右の例は"Vaffanculo!!!"-Fuck
off!!!"。文字通りには"in your
ass"という意味だそう。説明不要ですね・・・
今日は『イタリア人になろうコンテスト』で3人1組でチームを組み、1人がPizzaを作り、1人がパスタの早食い、残る1人が食前酒4種類を飲んでどれが何か当てる、チームの総合点で競うCompetition。私はイギリス人のFraser、フランス人のDamienと組んでPizza作りに挑んだ。Pizza回しのパフォーマンス、Pizzaの見栄え、味で採点されるのだけれど、これが難しい・・・
残念ながら我がチームは1位のPalmのPDAはもらえなかった。
今までの中で群を抜いてよくできているNational
Week。こんなに団結できる誇れる国を持ち、かつそれを大いに自慢できるキャラクターを持つ彼らが少しうらやましい。
posted at 7:04 PM
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Subramanian
RanganというMITとHBSを出ている教授が教える"Global Strategy
& Management"のクラス。
Mercedes-Benz、Gerber Products、Telefónicaとグローバル企業を取り上げた後、昨日のクラスはSonyについてだった。
時代は1989年、SonyがColumbia
Picturesを買収した時の話。ただでさえCold
Call(突然指名すること)が激しいこの先生、案の上私は集中砲火だった。
円高で日本企業の米資産大型買収が続き(三菱地所のロックフェラーグループ買収など)、米国内で反日感情が高まる中での34億ドルという破格値でのソニーのコロンビア買収発表。それまでソニーはHardware
Salesで成長してきてSoftware
Businessのノウハウがなく、映画産業はアメリカ文化の中心で『ハリウッド侵略』と言われ、Hardware
Salesが年率80%で伸びないと投資回収できないという状況下、ソニーは何を持ってしてこの破格の買収額を正当化したのか?というのが議論の中心。
"Insider
View"など求められても、当時私は中学生、ソニーでもSony
Picturesとは全く無縁の部署、提供できるInsider
Storyなど何もないんですけど・・・
Betamax-VHS戦争で負けたためソフトの重要性を認識した、Columbiaの持つ膨大なソフト資産が魅力だった、ソフトとハードの融合を目指した、円安に動いていたのでタイミングはあの時しかなかった、ソニーが買わなければライバル会社の誰かが買っていた、米国市場でのブランドイメージを上げる必要があった、など議論が出尽くした後の教授のコメント。盛田さんが何時間にも渡る取締役会の後"I
know it (=$3.4billion) doesn't make sense. But, I've always
wanted to own Hollywood
studio."と言ったのが決め手だったと。
・・・・・うーん、そうだったのか? 今ソニーのMGM買収が話題になっているけれど、どうなんでしょうね?
posted at 11:29 AM
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今週はItalian Week。 P5にはItalian Weekを皮切りに何と5つのNational
Weekが集中している。
□Monday Italian Aperitivo Movie
Night ("Il Postino", "Mediterraneo", "La Vita e
Bella") □Tuesday Italian Breakfast
(Colazione) Gesture Management □Wednesday Italian
Lunch (Pranzo) Pasta Challenge □Thursday Italian
Speaker Italian Dinner (Cena) □Friday Italian
Party
InternationalなINSEADの中でもイタリア人はイタリア人同士で固まる傾向があるけれど、こういう時の彼らの結束力はすごい。全員National
Colour(?)である青のTシャツを着てBar Areaでは毎日Italian Snackがふるまわれる。外にはDucatiのバイクとMaseratiの車2台が展示されている。
長らくNational
WeekらしいNational Weekから遠ざかっていたのでイベントも実に楽しみ。
posted at 2:29 PM
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